17.水色


blueって憂鬱の色とか言うけど
僕の憂鬱はきっと
水色ぐらいなんじゃないかな

このところの鬱の原因は相変わらず自分のこと

って言うか人ってきっと 自分のことじゃなきゃ鬱になんかなんない

そうじゃない? そうでもないって?

まあ、正直どうでも良いんだけど

もうずっと悩んでる 僕のクセ

僕の気分は いつも半分上の空 空想の世界で遊んでる

そのせいで 見なきゃいけない現実の 半分だって見えてこない

殻に閉じ籠ってる自分の姿が見えるの おかしいでしょう?

嫌ってほど分かっているのに やめらんないのって、アレだよね

心のどっかで「今のまんまでいいや」って思ってるってことだ

ブルーじゃなくて 水色みたいに 中途半端

そう 中途半端なんだよ、なにもかも

なんかもう、本当に投げやりな気分になってるクセに

そいでご飯も食べずにふて寝して もちろん

憂鬱なんて晴れるわけがなくて だんだん

お腹が減ってきたら眠れもしなくなって しかたないから台所に行く

そしたら いつもの席にいつものように ご飯が用意してあった

水色の茶わん いつもと全く変わらない

そのことが少し、嬉しくて悔しくて

何も言わずにご飯をほんの少しだけ食べて

ばあちゃんの心配そうな顔を見たら

心配してくれる人がいる嬉しさと不自由さにいっぺんに襲われて

ちょっとまた憂鬱になったけど なんかもう 意地を張るのも疲れたね

僕の憂鬱なんて 本当に辛い人たちに比べたら

ホントまだまだ明るいもので だからblueじゃなくて 水色なんだ

でも それもいいかと 最近はちょっと 笑うようにしてみる

明るい春の空の下

慢性的5月病と一緒に

明るい憂鬱の水色と出かけようか



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