21.緋色(明るさ、火の色)
時刻ならやっぱり夜が良い
それから少し寒いぐらいの気温が良い
風もある方が良い 海から陸へ吹くのがベスト
空に雲はない方が良い 月や星が見えると良い
車も人通りも少なくて ひとりっきり
時には海辺で いつもは
窓をほんの少し開けて そこから身を乗り出して
灰皿とライタを引き寄せたら 準備完了 火をつける
百害あって一利無し なんてよく言うけど
ひとそれぞれだよ
僕にとっては 一日10分でも15分でも
こうやってゆっくり煙を眺めて過ごす時間が とても好き
人の視線とか迷惑とか 本当はすごく気にしてるケド
迷惑かけたり不快感を与えたりするんだろうけど
じゃあ、やめる? っていうと お断り
そのうちいつかやめるかもしれないし やっぱりやめないかもしれないし
何かそういうとこ 僕の性格表してるよね
燃える緋色の炎は ほんのちっちゃなモノだけど実は
700度もあるって 知ってた?
小さく激しくあっと言う間に燃え尽きて でも
確かな存在感を持って身体に残る
そんなものを僕は他に知らない
そう だからやめられないのかもね