32.藤色(風散が由来、薄い青紫)


sala....shshsh....sala....shsss.....sasasala.....sa..sa...shala...sala.....sala.salasala...

風に揺られて 落ちる雪が 木の葉をくすぐる音を 聞いたことがありますか?

徹夜明けのだるい身体にしみ込む紫煙

その重い煙にくらりと頭を揺さぶられて

見えた 幻覚

辺りは白銀の世界だったはずなのに

冬枯れの藤棚に薄い青紫の花を見た

聞こえていたのは囁くような

花の秘密 冬の幻惑

雪が木の葉をくすぐる音

凍えるような寒さの中での密会

雪と季節外れの花と遠い静寂

燃える煙草の紙を燃やす音で我に帰る

惑わせたのは紫煙か雪か冷たい空気か

確かめるように目を閉じる

耳と皮膚だけの人間になる

ふわりと香る冬の匂いとマルボロの

混濁した世界に 囁く声が響く

それはおそらく 歓喜と期待

やがて来る春への願い

sahlala.....lala.....sahlalah...sa.......sahlalala.....la...lalala.....sahsahsahla....lasahlala......lala...sahla...shala


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