42.ヒーザー(にぶい紫。花言葉、孤独)


今日は彼女と映画館でデート
もードキドキして昨日眠れなかった
…なんてね 睡眠ばっちりだった
のびた君だもんね 俺
布団に入ったら三秒で就寝

朝は早めに起きて 身だしなみにきっちり時間をかけて
ついでに車も洗車 …なんてやってたら時間だった
急いで車に乗って 彼女の家までお出迎え

「こんにちは」

微笑んだ彼女は シャツの上に黒いカーディガン
膝丈のスカートから見える足は細くて
美人でスタイル良し 服のセンスもいいし もてるんだろうなー
そいで彼女が車に乗り込むと ふっと香水の匂いがした
何の匂いか分かんないけど うーんちょっと甘い匂い
うわー 何かドキドキだー

車で映画館まで向かう途中
我慢してあんまりしゃべんなかった
彼女は窓から景色を見たりしてる
うー おしゃべりしたいけど ここは我慢
あんまり うるさい男だと思われたくないし

映画館に入る前に マックで昼ご飯
彼女は食べるペースがゆっくり
先に食べ終った俺は やっぱり我慢できなくて
いろいろまたおしゃべりしちゃった
あー駄目だな〜 緊張するとしゃべっちゃうんだよなー

映画館に入ると五分ぐらい待たされた
人多いよ 日曜日だもんなー
でも…彼女の肩が腕に触れてて へへっ
その上 彼女のシャツ 薄い紫っぽいシャツの襟から
ときどき胸のあたりが見えたりして わーセクシィ
もうちょっと待たされてもいいかなー なんて 現金?

あれ? 列の先の方に 何だか見覚えのある後ろ姿
親父じゃん あれ うわ気まずー

「どうしたの?」

と彼女が聞いてくる なんでもないって言ったけど
受付を済ませた親父が わ こっち向いた
あー 気付かれたな こっちみてる
驚いてるよ こっちの台詞だよ もう
あれ?彼女もなんか驚いてる それに
よくみたら親父は俺じゃなくて彼女を見てる
???

しばらくして親父は映画館の入口とは別の方へ歩いていった
彼女は何もなかったように俺を見て「人違い」って笑ったけど
…なんか 変

ま でも 映画を見終った頃には忘れてた
一回なんか 寝そうになったけど 映画はそこそこ面白かった
…多分 面白かった だってなんか難しくて
アクションものとかのが分かりやすいな って言ったら

「じゃあ、今度はそう言うの見にいこうか」

だってー うわー 嬉しい 絶対いく
っつか これって 脈アリ???

53.苺色(ストロベリー、強い赤紫)



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