“何回転んだっていいさ 擦りむいた傷をちゃんと見るんだ
真紅の血が輝いて 君は生きてると教えてる
硬いアスファルトの上に 滴になって落ちて
今までどこをどうやって歩いて来たのかを教えてる
何回迷ったっていいさ 血の跡を辿り戻ればいいさ
目標なんかなくていいさ 気付けば後からついてくる
可能性と言う名の道が いくつものびてるせいで
さんざん迷いながらどこへでもゆけるんだ
大事なものがいくつもあった なんかずいぶん減っちゃったけど”
大事なものが多すぎて、その分いろんなことを持て余している
それでも随分、忘れちゃったり、落として来たり、少なくなってきたけど、それでも。
いい子にしてなきゃ相手にしてもらえないんだって、小さい時から思ってた。
ありのまんまの自分ではだめなんだってずっとずっと思ってた。
期待された事は出来て当たり前、周りの子が出来ている事以上の事が出来るのが当たり前、
テストで99点だったらミスを責められるけど、100点でも褒められなかった。
それが当たり前。
全く出来なければ何かが変わったのかも知れないけど、なまじ求められたぐらいの事は出来てしまったのがまずかったし、上手にごまかす方法も悪いながら覚えてしまった(癖になってしまった)から輪をかけてまずかった。
でも怖かったんだ。
周りの期待通りに出来なかったら、それはイコール自分がいらないのと同じだと思ってた。
だから大人になってもそのまんま。
今さら出来ない事がたくさん出て来て大いに困るはめになる。
やっぱり自分はいらない子供だったじゃないかと思い返す。
それはもちろん、自分を追い込む事にしかならなくて苦しかった。
大事なものが多すぎて、その分いろんなことを持て余している
それでも随分、忘れちゃったり、落として来たり、少なくなってきたけど、それでも。
置いて行かないでと手を伸ばす自分の手を、何度自分で振り払って来たんだろう。
もうちょっとちゃんとゆっくり自分自身を大切にして成長してくれば良かったのに。
大嫌いな自分を置き去りにして、大人になったって嘯いてたのに。
大事な事なんていくつも無いよ。
あたしはあたしでありたかった。
あたしはあたしのまま生きていたい。
だから手を伸ばす。もう諦めて、すっかり何もかも諦めて、深い深いふちにいる、置いてけぼりの自分に手を伸ばす。
だって知ってる。
自分は持ってる。
あたしが大事にしたかったもののかけらをきっと持ってる
だから手を伸ばす。かけらごと、もっかい自分を抱きしめるために。
もう遅いかな。
遅くなんか無いよ。
迷う事なんか無いよ。
だって、全部自分のなかの事だから。
距離も時間も超えられるはず。
もう一度自分に手を伸ばせたらきっと、ぎゅっと強く抱きしめて離さない。