寝待ち月

満月の次の夜の月は十六夜、その次は立待ち月、その次は居待ち月、その次が臥待ち月もしくは寝待ち月、その次は二十日月…

ちょっと今日は落ち込み気味
このところずっと
うだうだしてたけど
落ち込んでいたわけじゃなかった
でも今日はちょっとしんどい

月日は巡る、月もどんどん痩せて行く、自分だけが変わらずに、否、自分がいくら喚いても、時間は無感情に流れて行く…

簡単なことで落ち込むような時は
簡単なことでも幸せになれるようで
いつもの帰り道
何気なく振り返った先に
街灯に照らされる桜と
その蔭から昇ってくる
ちょっと首を傾げた寝待ち月
どうしたの?と問いかけてくれるようで
ちょっと嬉しかったりもした
濃紺の夜空を背景に
月の黄色と
桜色

当たり前のものなど何もない、日常的なことだって、なんだって、…僕は、きっと少し、勘違いをしていたんだ、当たり前のものなんてないのに、

自分はあまりにも脆いと
思い知らされたけど
それでも大丈夫と言ってくれる人がいる
それは
とてもありがたいこと
可愛がられていることが
当たり前なのだと
思い込んでいたけれど
それは
ただの気紛れ
それに気付いて打ちのめされても
失ったものは戻らない
残された後悔に
それでもプライドを捨て切れない自分
…仕方ないので開き直ったら
電話の向こうで君は苦笑した

まだ、大丈夫だよ、本当に、僕は脆いけれど、壊れたりはしないから