カヅキノヨ

あれ?と思って夜空を見上げた。

あんなところに月がある

まさか、人の頭の真上にあったとか
地面の下にあったとか
真東にあったとか
そういうあり得ない場所にあったわけじゃ無く
ちゃんと夜空の西の方にあったのだけど

感じた違和感
なんか、いつもより高いところにある気がした

それだけのことだったけれど
じーっと見つめてしまった
ぽかんと口を開けた姿は
通りを歩く人の目を 訝し気に引いただろう

そんなことはどうでも良くて
嬉しい発見をしたように 気分が良かった

自然、口元に笑みが浮かぶ

友達にメールを送ってみる
「三日月が綺麗だよ。イイ夜だ」
そんな他愛の無さ過ぎる一言を 送ってみる

だって こんなイイ月夜 滅多に無いと思ったからさ

同じものを感じてほしいわけじゃ無くて
ただ うん 何となく
同じものを見つめていたら
この距離がちょっとは近く感じれるのかな
なんて 試してみたかっただけかも知れない

きっと 月から眺めたら
遠く感じられるこの距離も
ほんの点みたいなものかもね

なんてそんなことも思ってみたり

イイ夜だ 三日月の夜