君の思い通りの
花を咲かせよう
むしり取られ
枯れる前に

煙草を取り出す手が重い
火をつけるのもおっくう
だるい仕草で ようやく火を着け
煙を吸い込む

そう 逃げている
ずいぶん前から知っている

真面目に生きる
ただそれだけのことが
こんなにも大変だとは思わなかった

いや 違う そうじゃない

自分の思うように生きるのが
こんなにも大変だとは思わなかった

煙を吐き出す
風に吹かれて消えていく

自分の思いが原因で失ったものを
どうしようもなく悔やんでいる
誰かにすがって泣きたい気分を
押し殺すように煙を吐く

ねえ いつから僕は
こんなに弱くなっただろう

他人の目を気にしてばかりいる
「正しいこと」にこだわって
自分の望むものが 見えなくなっている

どうしようもないことと吐き捨て
諦めてしまえば楽だろうか
誰かに話して 愚痴ってしまえば
改心して終えるだろうか

ちがう そうじゃない
僕が望むのは
諦めることじゃなかったはず

そう 弱くなっているのは自分自身じゃなくて
あるがままに生きようと決めた
その覚悟 貫こうとした意志

僕が逃げたのは傷付くこと
自分自身の決意から
辛いことから逃げ出したのだ

もう一度見つめ直す 睨み付けて
煙草の煙のように
何かに吹かれて消える前に

僕が僕であるために その望みのために
傷付くことを恐れてはならない
何かを失うことを嘆いてはならない

支えてくれた人を裏切っても
心配してくれる人を傷つけても
その痛みで自分自身を苦しめても

逃げてはいけない
それは僕が僕であるために
それを選んだことで生じた業
僕が背負うべきもの その重さ

負けてはいけない
投げ出してもいけない
逃げてはいけない

自分勝手と責められても
青い理想と笑われても
親を嘆かせても
友に見捨てられても

それが俺の選んだ道
もう後悔はしないと
そして逃げ出したりはしないと
ずっと昔に 覚悟したこと

在るが侭に 我が侭に
誰も理解してはくれなくても
この思いを投げ出したくない
この思いを捨てたくない

僕が僕であること
それだけが生きていく糧
僕が生きている理由
僕が生きていく理由

煙草を灰皿に押し付ける

誰に泣きつくことも
愚痴を言うのもやめよう
これは僕が決めたこと
苦しむことだと知っていて
それをも背負っていこうと決めたこと

覚悟をこの手に
理想をこの手に
そして肩にはその業を負って

思い通りの花を咲かせよう
むしり取られても 踏みにじられても
枯れる前に花を咲かせよう

そしていつか枯れる時まで