目を閉じて捜す
ひとひらの花は
明日に咲く
風は まだ 吹いている

夕暮れ時 あなたに会った帰り道に
唐突に思う いや ずっと思っていたこと

言わなかったけど 言えなかったけど

言葉にしなきゃ 駄目なんだよ
気持ちも 考えも 意思も
過去も 未来も 今も
何もかも

言えなかったから なおさら
強く思う
分かって欲しいから 分かってもらえるとか
いつも一緒にいるから 気持ちを汲んでもらえるとか
そんな風には 多分 思わない方がいいんだと

分かって欲しいなら たとえいつも一緒にいても
思ってることを口にしなければ 伝わらないと

通じ合えるとか 分かり合えるとか
それはとても素敵なとで
大切で 求めることで 欲しいものではあるけど
素晴らしくて 大切で 求めることで 欲しいものなら
なおさら 言葉にしなければ 駄目
自分の言葉で 口に出さなければ 示さなければ

月並みでも どこかで聞いたような言葉でも
まして 歌の文句だろうが 何でもいい
自分の口から出る言葉なら すべて自分の言葉だから
ただ 素直に 裸の気持ちのまま 裸の言葉で
恥ずかしくても 照れくさくても 苦しくても
口にのせなければ 駄目
たとえ その言葉が 救いから程遠く見えても 傷つけるものでも
口に出さなければ 伝えなければ 駄目

駄目なんだ…

不器用なあなただから 難しいのかも知れない
けれど 伝えて その声で 思うことを
誰に向けられなくても
自分の声は自分に届く から

 だから

暗い夜空に昇り始めた 月に祈るよ 声に出して
どうか あなたが幸せでありますように

ほのかに光る星に願うよ 声に出して
どうか 不器用なあなたが 望むものを捕まえていられますように

月に祈るよ 星に願うよ 声に出して
あなたに届かなくても 僕の声は僕に聞こえる
遠い未来 あなたが振り返るとき きっと笑っていられるように
どうか閉ざさないで 闇の中に
常に与えて 優しい光を

遠い未来 あなたが振り返るとき きっと一緒に笑えますように
叶うならば 祈り願うだけでなく
闇を 見えない未来を 不器用なあなたの心を
切り開く力を 手繰り寄せる力を あたたかく包む心を 僕に下さい

あなたの未来に幸多からんことを

きっと いつか笑い合えるように