24.鳶色(灰みの茶色、瞳の形容)
ニュースニュース!
バス停の例の彼女とおしゃべりしちゃったー
偶然街で見かけたの
新しいゲーム買った帰りに 駅前で
後ろ姿で分かるよ あんなきれいな髪のひとなかなか居ないからねなーんか暇そうにしてたから 人待ちかなっても思ったけど
しばらく見てても誰も来なかったし
ここは声をかけるべし!って近付いたのや そしたらすっごい美人でさー もおびっくり
目の前に立ってしばらく呆然としちゃったもん
瞳がね うーん知的そうな感じ? きりっとしてて
見つめられたら 思考停止 あはは
そしたら彼女 すっごく疑わしそうな目で「…あの、何か私に用ですか?」
俺 慌てちゃって 全然
言おうとしてたことと違うこと言っちゃった
きれいな顔だねって 髪って言うつもりだったのにでも 何がおかしかったのか 彼女 笑うの
笑うと 雰囲気全然違う
硬派そうとか 近付きがたいとか思ったけど
なんかもっと あけっぴろげなかんじまあ おかげで誘うのも 気が楽になって
暇ならお茶でもどう〜なんてべたべたに誘ったんだけど
ちょっとだけ時計を見て 彼女はあっさり頷いた近くのサ店に入ったんだけど
うーん しゃべってたの俺ばっかり
彼女は少し笑って聞いてるだけ
つまんなくないの?って聞いたら 話を聞くのが好きなんだって
俺は駄目 人の話聞かない すぐ茶々いれてうるさいって怒られるそれでも彼女の話もちょっとは聞いた
やっぱり女子大生 大学院生だって
一人暮らししてること バイトは中学生の家庭教師
美人の家庭教師! いーなー
んで 嬉しいことに 彼氏はいないんだってー一時間ほどしゃべってたら
もう行かなきゃって彼女が席を立った
バイト?って聞くと首を振る
じゃあデート?って聞くと「まあ、そんなもんかな」
だって
えー彼氏いないってゆったじゃーん
って聞き返したら「彼氏じゃなくて、付き合ってる人と待ち合わせ」
うーん それって何が違うわけ?
まあいいや もう 楽しかったんだし
俺 物事深く考えるタチじゃないしね割り勘でサ店を出ると 彼女はじゃあねと去っていく
またね って見送る
うちに帰る途中で気付いた
なんてことだ
俺 彼女の名前聞いてないじゃん!another side→76.赤銅色
60.インディゴに続く